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「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」開幕レポート。渋谷と益田を比較した展示にも注目【3/4ページ】

 エスカレーターを昇った5階のフロアでは、内藤による近作のほか、様々な事情により実現しなかった建物や架空のプロジェクトを「Unbuilt」、そして現在進行形のプロジェクトを「Ongoing」として分類をつけながら紹介されている。

「近年作・Unbuilt作品」展示風景より、「アルゲリッチハウス」(Unbuilt、2012)。依頼主の体調不良により計画がストップしてしまったこのプロジェクトは、内藤にとって「なんとしても実現したい建物」であったと2023年の展覧会で語られた

 現在、内藤の展覧会は本展のほかにも「建築家・内藤廣 なんでも手帳と思考のスケッチ in 紀尾井清堂」展(〜9月30日)が開催されている。自身が設計を務め、2021年に竣工したこの「倫理研究所 紀尾井清堂」(千代田区)には、内藤が40年間にわたって能率手帳に書き記してきたものが展示されており、それらを通じて思考の軌跡をたどることができるものとなっている。本展では、紀尾井清堂の模型や設計資料も展示されているため、あわせて足を運ぶことをおすすめしたい。

「近年作・Unbuilt作品」展示風景より、「紀尾井清堂」(2021)
「近年作・Unbuilt作品」展示風景より、「多摩美術大学 新棟・講堂」(Ongoing、2023-)