まず展示室入り口には、本展の「ガイダンス」となる展示が登場。素材や模様、手間のかかり具合、使用用途、何が表現されているのかなど、民具の理解をより深めるための「観察」のポイントが示されているため、まずはここでしっかりと押さえておきたい。

「第1章 かたちと身体性」では、民具の形状と身体の関わりについて14つのトピックから紹介している。民具それぞれにある独自の形状は、どのような身体の動きによって決定されたものなのか。想像を巡らせてみてほしい。
また、1章~3章では、1つのトピックにつき、EMMコレクションが1点、ムサビ・コレクションが4~5点ほど展示されており、世界の民具と日本の民具を比較して観察することも可能となっている。


「第2章 ユーモアと図案」では、民具の模様に焦点を当て、12のトピックから紹介。身の回りの動物や空想上の生き物、精霊などのイメージが、大胆にデフォルメされて図案(デザイン)に落とし込まれている点が見どころだろう。模様をつぶさに観察することでそのモチーフに気がつくものもあれば、なぜそのような形になったのか頭を悩ませるものまであり、それぞれ癖になるユニークさを持ち合わせている。

