志賀耕太「SIDE GAME」(マイナビアートスクエア)開幕レポート。遊びのなかに見る歴史の重層性【3/3ページ】

 映像作品《鎖国兵器》は、バドミントンとビリヤードがはじめて日本に伝わったとされる、長崎の出島でのリサーチから発想された映像作品。鎖国下に長崎・出島で広まったビリヤードやバドミントンをモチーフに、スポーツが兵器として利用される世界における、国家や家族のあり方を問うている。

展示風景より、志賀耕太《鎖国兵器》(2024)

 モニターの周囲にはバドミントンのラケットやネットが配置されているが、こうした「遊びの道具」の意味も映像作品の視聴後にはまた異なる意味を見出さずにはいられなくなる。

 身近で誰もが知っている「遊び」のなかに潜む歴史を、ユーモアあふれる手つきで探り出し提示する本展。美術という営みのなかにあるはずの「遊び」を、いまいちど考えたくなる展覧会だ。

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