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「モネ 睡蓮のとき」展(国立西洋美術館)開幕レポート。モネ晩年の芸術の極致へ【2/4ページ】

第1章「セーヌ河から睡蓮の池へ」

 本展は4つの章とエピローグによって構成されている。第1章「セーヌ河から睡蓮の池へ」では、モネがセーヌ河の風景やロンドンの水景を描いた作品を通じて、彼が水面に映る光や影にどのように魅了されていったかを探る。これらの作品は、のちに「睡蓮」をテーマとした連作へとつながる視覚的探求の出発点となっており、モネが水の表現に強い興味を持っていたことを示している。

第1章の展示風景より、左から《セーヌ河の朝》《ジヴェルニー近くのセール河支流、日の出》(いずれも1897)
第1章の展示風景より、ロンドンのチャーリング・クロス橋を描いた作品群

 また同章では、モネが睡蓮を描いた初期の作品群も展示。本展の日本側監修者である山枡あおい(国立西洋美術館研究員)は、最初期の「睡蓮」の作品とその後の表現の違いを見比べ、モネの画風の変化を直接目にすることができる点が面白みだと話している。

第1章の展示風景より、1903年に描かれた「睡蓮」の初期作品
第1章の展示風景より、「睡蓮」の初期作品
第1章の展示風景より、左から《睡蓮》(1897-98頃)、《睡蓮、夕暮れの効果》(1897)

第2章「水と花々の装飾」

 第2章「水と花々の装飾」では、モネの装飾画の構想に焦点を当てている。1914年、彼はジヴェルニーの庭の池に架けた太鼓橋の藤や、アガパンサスといった花々をモチーフにした装飾画を計画したが、最終的にはその構想を放棄し、池の水面とその反映による装飾に集中した。この過程で生まれた藤とアガパンサスの関連作品は、モネの装飾的感覚と彼の晩年の芸術的挑戦を反映しており、その独特の色彩と構成で見る者を引き込む。

第2章の展示風景より
第2章の展示風景より、《藤》《藤》(1919-20頃)

編集部

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