10月5日より東京の国立西洋美術館で開催される「モネ 睡蓮のとき」展。同展は、2025年3月7日〜6月8日の会期で京都市京セラ美術館にて巡回開催される。
モネは生涯を通じて自然の光や色彩を巧みにとらえ、その移ろいをキャンバスに表現したことで知られるが、晩年になるにつれ、その芸術はより抽象的で内的なものへと変わっていった。その創作に大きな影響を与えたのは、ジヴェルニーの自邸にある睡蓮の池だった。そこに映る水面は、空や周囲の木々、そして光を一体としてとらえ、彼の最晩年の作品の中心的なモチーフとなった。
晩年のモネは、最愛の家族の死、自身の視力の低下、そして第一次世界大戦といった数々の苦難に直面していたが、それでも彼は睡蓮の池をテーマにした巨大な装飾画の構想に取り組み続けた。本展では、モネが試行錯誤の末に生み出した、幅2メートルを超える大作「睡蓮」の数々が展示の中心となる。
本展では、パリのマルモッタン・モネ美術館から約50点の作品が来日し、そのなかには日本初公開の7作品も含まれている。さらに、日本国内の所蔵作品も加わり、モネの晩年の創作の頂点に立つ「睡蓮」シリーズが一堂に会する、日本でも最大規模の展示となる。