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「西川勝人 静寂の響き」(DIC川村記念美術館)開幕レポート。日本初の回顧展【2/3ページ】

展示風景より、西川勝人《静物》(2005)

 彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物など多様な約70点が出展。展示は年代順ではなく、展示室が持つ光を考察しながら構成されたもので、異なる制作時期・手法の作品がクロスオーバーする。

 大きく湾曲した窓ガラスが特徴の展示室では、カラーアクリルガラスを4層重ねた24点組の平面《静物》(2005)が壁一面に展示。これは、西川が敬愛するジョルジョ・モランディの静物画に見られる24色を着想源にしたもので、異なる色のアクリルガラスを重ねることで、西川独自の色が表出している。

 同じ空気に置かれたクリスタルガラスの立体作品《フィザリス》(1996)は、ムラーノ島のガラス職人によってつくられたもの。西川が好むモチーフであるホオズキをかたどったもので、吹きガラスの手法によって制作されている。次々と変わる自然光を受け、豊かな表情を見せてくれる。

展示風景より、西川勝人《フィザリス》(1996)

 オーガンジーによるシルク絵画が並ぶ通路を抜け、人工照明のみの展示室へ。活動最初期の1986年に描かれた植物と思われるドローイング《無題》は様々な白が見られ、西川の白という色に対する探究心がうかがえる。またドイツの湿地帯を撮影した写真をもとに描かれた絵画、本展タイトルと同名の24点組の平面、本展開催のきっかけとなったDIC川村記念美術館所蔵の彫刻作品など、多様な技法の作品が集まる。

展示風景より、奥が《静寂の響き》(2005-06)
展示風景より、手前はDIC川村記念美術館蔵の《無題》(1987)

編集部

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