DIC川村記念美術館休館は「大きな損失」。千葉県知事や佐倉市長が言及

休館が発表されたDIC川村記念美術館について、千葉県の熊谷俊人知事や佐倉市の西田三十五市長が言及した。

DIC川村記念美術館、玄関前の清水九兵衛《朱甲面》(1990)

 運営元の株式会社DICより、東京への移転や美術館業務からの撤退を検討するための休館が発表されたDIC川村記念美術館。同館所在地である千葉県の千県知事や佐倉市の市長が同館の休館についてコメントした。

 千葉県知事の熊谷俊人は8月29日の記者会見で、同館を「所蔵品も庭園も素晴らしい」「ちば文化資産にも選定されている」と評価したうえで「千葉の芸術振興において果たしてきた役割は非常に大きい」と述べた。また、今年3月に発表した「千葉県立美術館活性化基本構想」では、県立美術館と連携していく県内の美術館として期待していたことも踏まえ「移転や閉館は大きな損失」と語った。

 佐倉市の西田三十五市長は28日にDIC川村記念美術館より、休館について直接説明を受けたことを市のウェブサイトで公表。同館について「全国的にも評価の高く、大変魅力ある美術館」「佐倉市の文化振興や地域の活性化にご貢献いただいている」としたうえで「今後も佐倉の地で運営を続けていただきたいと切に願っております」とコメントしている。そのうえで「私と同じ思いを抱く皆さんとともに、署名活動など、早急に存続に向けた有効な方策に取り組んでまいりたいと考えております」とした。

 以上の市長のコメントを前提に、県知事も「佐倉市が署名活動を行う場合は皆さまの思いを寄せて頂ければ幸い」とXに投稿している。

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