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「北アルプス国際芸術祭」開幕レポート。山とともにある人々の歴史と文化を感じる【7/7ページ】

 八坂公民館の周りを編み込んだ竹で囲んだ作品《竹の波》はヨウ・ウェンフーの手によるものだ。

展示風景より、ヨウ・ウェンフー《竹の波》

 本作でウェンフーは風と竹の対話を表現。風のかたちを、組み合わせた竹の表面の凹凸で表し、可視化したという。隣接する田の稲穂のように、時とともに変化し、たとえなくなったとしても景色の記憶は見る者のなかに刻まれ、風の存在を肌で感じることを重視。自然と人間の関係性をも照射した。

展示風景より、ヨウ・ウェンフー《竹の波》

 山岳博物館の前にある大町公園では、船川翔司の《AWHOB-O-ある天気と此成の観察局-大町-》が展開。上空の気象データを反映してLED光る装置や、周囲の風に呼応する装置などが設置されたこの公園では、滞在する作家らが気象の話を語りつつ、マイクロアクションを行う。日々変化し続ける作品だ。

展示風景より、船川翔司《AWHOB-O-ある天気と此成の観察局-大町-》

 3回目を迎え、地域により深く浸透したかに思える「北アルプス国際芸術祭」。歴史、文化、そして人々の生活とともにあるアートを現地で体感し、北アルプスの恩恵を受けてきたこの土地のあり方を感じてみてはいかがだろうか。

編集部

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