かつて多くの生徒が通った旧大町北高等学校では4作家が作品を展示。地元の木材の芯に心臓のかたちを見出したマリア・フェルナンダ・カルドーゾは、この心臓を約4000ピース集め、ゆるやかで多様性のある命の壁《Library of Wooden Hearts》を図書室につくりあげた。
小鷹拓郎は伝説の巨人「ダイダラボッチ」を題材にしたフェイク・ドキュメンタリー《ダイダラボッチを追いかけて》を上映。大町市の仁科三湖に伝わるダイダラボッチの話を、市民を巻き込みながら虚実入り混じる証言とともに作品化。「ダイダラボッチ」が何のメタファーなのか、考えながら楽しんでほしい。
千田康広の《アフタリアル2》は、暗室に無数の光が走る作品。観客たちの網膜、そして脳に残る残像を残すことで、見えなくても存在するものについての思索をうながす。
さらにこの旧大町北高の1階では原倫太郎+原游が双六のように楽しむことができる《大町北高双六カフェ》を制作した。
信濃大町駅にほど近いスナック街では、インドネシアのアーティスト・ムルヤナが《居酒屋MOGUS》をオープン。カウンターに並んだ食材を模した毛糸のパーツを集めて「フードモンスター」を作成。会期中は観客が参加できるワークショップも実施される。