2023年に第13回ヴィルヘルミナ・リング賞を受賞したオランダ出身の参加ヘンク・フィシュ。同賞は、1998年から2年ごとに50歳以上のオランダ人彫刻家に授与されており、受賞者を称えるだけでなく、オランダの彫刻への関心を喚起することを目的としている。受賞者ヘンク・フィシュの作品が、6月23日までCODA美術館で開催中の展覧会「法廷でのダンス(Dance in the Court of Justice)」で見ることができる。
フィシュによると、展覧会のタイトル「法廷でのダンス」は、19世紀末に始まった国際平和を希求する歴史に由来するという。1899年5月18日にオランダで第1回万国平和会議が開催され、そこにはヴィルヘルミナ・リング賞の名前の由来となったオランダのヴィルヘルミナ女王が出席した。この会議にはヨーロッパやロシア、日本を含む26ヶ国から100人以上の代表者が参加し、国際平和と軍縮に関する議論が2ヶ月以上にわたって交わされた。1907年には第2回万国平和会議が同じくオランダで開催され、国際平和の象徴として考案された平和宮の礎石が置かれた。現在、この平和宮には、国家間の平和を脅かす紛争を扱う国際連合の主要な機関のひとつである国際司法裁判所が置かれている。つまり、展覧会のタイトルにある「法廷」とは国際司法裁判所を意味している。