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アートの力で希望を発信。村上隆の巨大立体作品《お花の親子》が六本木ヒルズに誕生

六本木ヒルズの玄関である「66プラザ」で、村上隆による高さ10メートルの金色に輝く巨大な新作立体作品《お花の親子》(2020)が公開された。本作の設置にあわせて、村上の「お花」の世界観を楽しめる「お花カフェ」も期間限定オープンする。

村上隆の《お花の親子》(2020)

 六本木ヒルズの玄関である「66プラザ」、ルイーズ・ブルジョワ《Maman》(2002)のほど近くで、村上隆による高さ10メートルの金色に輝く巨大な新作立体作品《お花の親子》(2020)が公開された。

 本作は、六本木ヒルズと村上が「アートを通して未来への希望をつなぐ夢」として行うコラボレーションの第1弾。村上がコロナ禍で抱える葛藤と、それでも前を向き続ける思いを込めて制作された本作は、文化都心としての六本木ヒルズから世界へ向け、アートの力で未来への希望を発信することを目指している。

展示風景より、《お花の親子》(2020)
展示風景より、《お花の親子》(2020)

 村上の代表的なモチーフ「お花」が前面だけでなく、サイドや後ろにもあしらわれている本作は、見る角度によって違った表情を見せる。このデザインについて、村上は11月26日に行われた記者会見で次のように語った。

 「正面性の強い彫刻作品は、360度回るとともすると死角ができる。この死角をなくすのが技術的な部分。いままで私はペインターだったので、彫刻作品をつくるときにはいつも彫刻家の方にお願いしているが、この作品は、うちの工房でゼロからつくった3Dソフトウェアを使った初の作品。モニターの小さな画面で10メートルのスケールを想像してつくったものだ。テクニカルな意味で、360度マウスで回して見れたので、死角が少ない芸術作品だと思う」。

記者会見に登場した村上隆

 また、「親子」のモチーフについて村上はこう続ける。「現代美術の王道では、芸術はほとんど大人に向けたもので、子供に向けた作品は少ない。私は日本人なので、西洋の現代美術の世界ではアウトサイダーだ。その意味でターゲットは非常に自由。私は子供のオーディエンスをたくさん持っているので、どうやったら子供が親と一緒に見にきていろんなことを発見できるかということを考えて作品を制作した」。

展示風景より、《お花の親子》(2020)

 なお本作の設置にあわせて、村上の「お花」の世界観を楽しめるコラボレーションカフェ「お花カフェ」が期間限定オープン。店内の壁やテーブルなどに「お花」が飾られているカフェでは、「お花」をモチーフにした料理やデザート、ドリンクなどを楽しむことができる。

 また年明けからは、六本木ヒルズ内のカフェや商業店舗でも村上との様々なコラボレーションが順次展開。ヒルズ街全体から世界へ向けて発信される村上の世界観を堪能してほしい。

お花カフェ
お花カフェ

編集部

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