ビジュアル・アートの力で子供たちを癒すことを目的に設立されたアメリカの非営利団体「RxART」と協力し、村上隆がワシントンDCに所在する小児国立病院のCT/PET検査室にチャリティーアートプロジェクトを発表した。
同プロジェクトは、患児の腫瘍の診断に使われるCT/PETスキャナーや検査室の壁に、村上の代表的な「お花」のモチーフを飾るもの。子供たちが治療に関する不安や恐怖を和らげ、病院の空間を明るい色に変えることを目指している。
過去20年間で、RxARTはアメリカの20都市36の病院で62人のアーティストと53のプロジェクトを実装。すべてのプロジェクトは病院が費用を負担することなく制作された。依頼されたアーティストには、様々な基金に寄せられた寄付金から謝礼が支払われるという。
小児国立病院では年間約220回のPETスキャンと2290回のCTスキャンが実施されており、このユニットでは、新生児から幼児、青年、若年成人まで、あらゆる年齢層の小児患者がスキャンを受けている。今回のプロジェクトも数多くの子供たちの治療に役立つと予想されている。
同病院の放射線科部長ドロシー・ブラスは、今回のプロジェクトについて次のようにコメントしている。「CT検査室は威圧感のある環境なので、美しいものや軽快なものはとても役に立つ。私たちは、子供たちが入院する必要がないことを願っているが、ここに来たときには、彼らが最高のケアを受けていることを安心させてあげたい。RxARTプロジェクトの美しさは、彼らにより多くの安心感を与えるものになるだろう」。