六本木ヒルズの中庭に、今月、村上隆の立体作品が登場する。高さ10メートルの金色のこの像は、同ビルの象徴ともいえる巨大なクモの立体作品、ルイーズ・ブルジョワ《Maman》(2002)のほど近くに設置される。
村上のInstagramによれば、この像は「お花の親子の像」とのことで、《Haha Bangla Manus》と呼ばれており、設置作業が続いている。
Instagramでの投稿で村上はこの新たな立体作品について、2020年の新型コロナウイルスに端を発する経営的な危機を踏まえたうえで、次のようにコメントしている。
「倒産寸前の状況のなかでもプロジェクトを中止せず、製作者への支払いを続けるという決断をしたことは、自分の内臓が口から出てくるかと思うほどの大決断でした。なんとか倒産はまぬがれ、プロジェクトは着々と進んでいますが、本当に苦渋の決断でした」「私の作品には笑顔のハッピーなキャラクターが描かれているので、私自身の性格や現場も明るくハッピーなものと勘違いされがちです。しかし、夢を描くためには、吐き気を催すような苦悩と隣り合わせで仕事をしなければなりません。この作品が事故なく無事に設置されることを心より願っています」(ともに原文は英語)。