空間としての京都町家
本展の会場となるのは、2023年にオープンしたル ラボ京都町家の2階。築約150年の町家を改装したこの空間には、時間の痕跡がそのまま積層している。


1階に広がる吹き抜けの空間、新緑に染まる紅葉が眩しい坪庭、そしてヴィーガンメニューを提供するカフェ。多くの来場者が香りを試し、滞在する1階を抜け、2階のギャラリーへと上がる。
使い込まれた畳、坪庭に向けて開いた大きなガラス窓、時間と気候を反映して移り変わる光。それらはホワイトキューブとは対極にある条件だが、むしろ本展においては不可欠な要素として機能している。空間そのものが、均質化されない時間の流れを体現しているからだ。


展示はこの環境に配置されるのではなく、「滲み込む」ように展開される。写真やオブジェクトは、あたかもこの場所に以前から存在していたかのようだ。また空間にはほのかに香りが漂い、視覚だけでは捉えきれない感覚も静かに立ち上がる。



















