芸術と技術が交差する場所。The Terminal KYOTOで「石に話すことを教える──生の〈技術〉」展が開催【2/3ページ】

赤松正行《タレスの刻印》の展示風景

 赤松正行《タレスの刻印》は、古代ギリシャの哲学者タレスが見上げた星々の軌跡を想像し、時間と観測行為そのものを可視化する。石橋友也《Self-reference Microscope》は、河川で採取された人工物を含む廃棄物で顕微鏡を自作し、その装置によって川の生態系を観察するという自己言及的な試みを提示する。

石橋友也《バベルのランドスケープ》(2025)の展示風景

 後藤朋美《Trust Thy Scars》は、治癒や再生に関する現代的な問題を、氷や土といった変容する物質を用いた芸術実践によって考察する。農業に従事する福島あつしは、新作《ぼくは夏の畑で生き物たちと野菜を奪い合う》において、自然と人間のあいだに生じる生存のダイナミクスをとらえる。

後藤朋美《Trust Thy Scars》(2024)の展示風景
福島あつし《ぼくは夏の畑で生き物たちと野菜を奪い合う》(2024)の展示風景

 堀園美は《お山の合掌》をはじめとする作品群において、道具をつくるなどの技の源の器官である「手」がもつ多元的な表現に着目する。刺繍作家の杉浦今日子は、満ち欠けする月やパラレルワールド、妖怪といったファンタジックな主題を参照し、刺繍と素材の妙による独自の世界観を立ち上げる。

杉浦今日子《Parallel World III》(2017)の展示風景

編集部