東京・銀座のギャルリーためながで、アーティスト・木村佳代子による個展「VIS VIVA FLORA(ヴィス・ヴィヴァ・フローラ)」が開催される。会期は11月9日~12月8日。
木村佳代子は1971年東京都生まれ。96年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了、99年に博士課程満期退学。花を描くことを通して、「宇宙」「生死」「時間」といった自身の中で湧き上がるテーマを探求し続けており、近年のグループ展やアートフェアでは完売が続く活躍が目覚ましい作家だ。
作品に登場する「切り花」が根から切り離されても美しく咲き誇るように、木村の花のモチーフには「生命の強さ・美しさ」が込められている。力強よく生きる命だからこそ、同時にその終わりが色濃く浮かび上がるように、ふとした瞬間に誰しもが感じることのあるこの世界の「時間」「命」「死」、またそれらを包括する「宇宙」が画中に表現されているといえるだろう。何層にも様々な色の絵具を塗り重ねることで生まれる下地の深い奥行きと、鮮やかに描かれた花との対比にも「虚無の中に浮かび上がる生命」という木村の世界観が映しだされ、見つめるほどに心に響くような画面が魅力となっている。
本展は、ギャルリーためながでの木村の初個展となる。新たな取り組みとして鮮やかな青い背景の作品も登場し、本展のために描き上げた新作約40点が一堂に展覧される。また、会期中はイタリアの老舗フレグランスブランド、サンタ・マリア・ノヴェッラとのコラボレーションも実施され、花の香りに包まれながら木村の作品を鑑賞することが可能だ。
加えて、11月7日には日貿出版社から初めての画集『FLORAISON フロレゾン 木村佳代子作品集』が刊行。同画廊ではサイン入りの画集を購入することができるほか、11月8日の17時よりサイン会も開催。さらに会期中の11月17日14時〜16時には誠品生活日本橋にてトークショーが開催され、画集の制作秘話がアーティストから直接語られることになっている。