2022.3.4

7名のアーティストが生み出す新たな抽象表現。ギャルリー成瀬17で開催される「β-Naruse17」展をチェック

アーティスト・関仁慈と田辺修の企画による抽象作品展「ギャルリー成瀬17 Selection β」が第5回の開催を迎える。「世の中的には働き盛りの世代」である40代前後のアーティストを中心に、多様な抽象表現が展開される。会期は3月5日〜19日。

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 ふたりのアーティスト、関仁慈と田辺修の企画により2018年から開催されている抽象作品展「ギャルリー成瀬17 Selection β」(略称「β-Naruse17」)。その第5回目が、3月5日より東京町田市南成瀬にあるギャルリー成瀬17で開催される。

 関は1976年茨城県生まれ。「シンプルなものの中にこそ、本質的な奥深さがある」というテーマのもと、かたちになる前の無垢なものやそのエネルギーを追い求める作品を制作し続けている。また、ライフワークとして「Trois Couleurs」という実験音楽ユニットで美術家のTADASUKEと布施新吾とともに活動している。

関仁慈

 いっぽうの田辺は1940年山口県生まれ。1970年代より椿近代画廊(新宿)やOギャラリー(銀座)、ギャラリー汲美(銀座)、ギャルリーVERGER(相模原)、ギャラリー山口(銀座)、檜画廊(神保町)などにて作品を発表し、「Pace! 2014 in Villa Balladoro」(イタリア、2014)や「九条美術の会 美術展」(東京都美術館、2015-16)などのグループ展にも参加。日動画廊主催の第5回現代の裸婦展大賞も受賞している。

田辺修

 本展では、そんな2名に加え、「差異」や「反復」といったキーワードで作品を制作する椛田有理、抽象表現で感じとる世界を描き出す桐健二、雨をテーマに創作活動を続けるTADASUKE、殺風景でリアルな感覚を感じる身近なものを題材にした作品をつくる布施新吾、人体をモチーフに作品を発表する森哲弥といった合計7名のアーティストによる抽象作品を紹介する。

TADASUKE
布施新吾

 参加アーティストの多数は40代〜50代前後。関はステートメントで、40代前後は「世の中的には働き盛りの世代」だとしつつ、本展の趣旨について次のように述べている。

 「いまの40代前後の作家さんたちには、いままでとはまた違った感性/経験/技術から、とても魅力のある作品を発表している作家さんも多く存在し、個々に活動・活躍しています。その方たちをより多くの方に認知していただきたく、日動画廊さん等で活躍されていた田辺修さん協力のもと、各画廊様の賛同を経てこの展覧会を企画しています」。

桐健二

 なお本展と同時に、関仁慈の企画により浅野彌弦、石黒隆宗、熊谷美奈子、藤下覚、松林彩子など7名の現代アーティストが参加するグループ展「β-Verger」(3月9日〜19日)が、相模原市古淵にあるギャルリーヴェルジェでコラボレーション企画として開催。両方のギャラリーの作品を見比べてみてはいかがだろうか。

森哲弥
椛田有理