現代グラスアートに特化したトリエンナーレ形式の国際公募展である「富山ガラス大賞展」。2018年の初回から回数を重ね、着実に存在感を増す同展が来年3回目の開催を迎えるにあたり、作品公募をスタートさせた。
現代グラスアートは、1950年代の旧チェコスロバキアや、60年代のアメリカなどで沸き起こったガラスを芸術表現の素材として用いる「スタジオグラス運動」に端を発するもの。これを機に世界へ広がったその造形表現は、2000年以降急速に多様化し、いまでは様々なアーティストがその世界で活躍を広げている。前回展(2021)では、世界51の国と地域から1126点の応募を集めたという数字からも、そのグローバルな広がりがうかがえるだろう。
現代グラスアートの新たな展望を開くと同時に、「ガラスの街とやま」がその拠点として、世界に大きく羽ばたく契機となることを目指す「富山ガラス大賞展」。今年は審査員に、エイミー・シュワルツ(コーニング・ガラス美術館 スタジオ責任者)、ウタ・クロッツ(ノイエス・グラス編集長)、ザン・リン(上海ガラス博物館創立者・館長兼執行総裁)、島敦彦(国立国際美術館館長)、土田ルリ子(富山市ガラス美術館館長)が名を連ね、9名に賞が与えられる。
賞はそれぞれ大賞(1点)300万円、金賞(1点)100万円、銀賞(2点)30万円、審査員賞(5点)10万円となっており、大賞と金賞の受賞作品は、富山市(富山市ガラス美術館)に寄贈となる。なお前回は佐々木類が大賞に、神代良明が金賞に輝いた。
ガラスを主体とした芸術作品であれば、応募者の国籍や年齢は不問。無限の可能性を秘めたガラスアートの世界に飛び込んでみてはいかがだろうか。応募期間は7月10日~11月10日。入選作品は公募展「富山ガラス大賞展 2024」(富山市ガラス美術館)で展示される。