令和に見る、新たなアートの景色。池田学、チームラボらが参加の「数寄景/NEW VIEW 日本を継ぐ,現代アートのいま」をチェック

日本文化のキーワードとして選ばれた「あやし」「見立て」「うつろひ」といった8つのセクションごとに、各2組(一部3組)のアーティストの作品を対峙させるように展示するグループ展「数寄景/NEW VIEW 日本を継ぐ,現代アートのいま」が、大阪の阪急うめだ本店(9階 阪急うめだギャラリー)にて行われる。参加作家は、青山悟、赤松音呂、池田学、岩崎貴宏、チームラボ、橋爪彩、宮永愛子ら17組。会期は6月26日〜7月8日。

チームラボ 世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う 2013 Interactive Digital Work, Endless, 8 channels Sound: Hideaki Takahashi ©teamLab Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery

 「あやし」「見立て」「うつろひ」「なぞらえ」「かさね」「ゆらぎ」「今様」「奇想」。日本文化から選ばれたこの8つのキーワードで17組の作品を紹介する展覧会「数寄景/NEW VIEW 日本を継ぐ,現代アートのいま」が、大阪・阪急うめだ本店(9階 阪急うめだギャラリー)で開催される。

岩崎貴宏 リフレクション・モデル(瑠璃)(参考画像)  2014 檜、シナベニヤ、ワイヤー  h.300 x w.64 x d.64 cm 撮影:三嶋一路  個人蔵 ©︎Takahiro Iwasaki Courtesy of ANOMALY

 本展のユニークな特徴は、8つのセクションごとに、各2組(一部3組)のアーティストの作品を対峙させるように展示すること。「見立て」では、歯ブラシ、タオル、文庫本のしおり、ダクトテープといった私たちの身近にあるありふれたものから、繊細で儚い風景を作り出す岩崎貴宏と、大阪を拠点に、主に淀川の河川敷に廃棄されているゴミや流れ着いた漂流物をアートの素材として変換した立体作品を手がけてきた淀川テクニック

橋爪彩 La petite source 2019 パネルにエマルジョン地、油彩 194×130.3cm 撮影:宮島径 ©︎HASHIZUME Sai

 「今様」では、西洋の王子様やターザン、人魚といったファンタジックで「イケメン」な人物像を東洋画の風景表現の中に描いた屏風や掛け軸を手がける木村了子と、女性をモチーフに、精緻かつ丹念な描写を特徴とした絵画を通して西洋絵画のアップデートを試みる橋爪彩。​

池田学 蛸 2004 紙にペン、インク 30×30cm 個人蔵 撮影:宮島径 ©︎IKEDA Manabu, Courtesy of Mizuma Art Gallery

​ そして「奇想」では、丸ペンとカラーインクによって創造力豊かな綿密画を超絶技巧的に描き出してきた池田学と、プログラマー、エンジニア、建築家、CGアニメーターなどからなる「ウルトラテクノロジスト集団」のチームラボの作品がそれぞれに向かい合う。

金子富之 黄光飛龍 2018 岩絵具、墨、透明水彩、アクリル、ペン、箔、吉祥麻紙 230×480cm 遠藤祐里蔵 ©︎KANEKO Tomiyuki Courtesy of Mizuma Art Gallery

 そのほかには、「あやし」では岡本瑛里と金子富之、「かさね」で青山悟と川人綾、「なぞらえ」で水野里奈と山本竜基、「ゆらぎ」で赤松音呂と宮永愛子、「うつろい」で荻野夕奈、中北紘子、宮本佳美が共演する。

 また、本展と同時期に、大阪芸術大学、京都造形芸術大学、近畿大学、嵯峨美術大学の4校が参加する「HANKYUアートフェア Neo SEED」も開催。ゲストアーティストとして現代美術のユニット「Yotta(ヨタ)」が参加するこのアートフェアの会期は6月26日〜7月1日。

 これらの展覧会は同フロアで開催されるため、あわせてのチェックをおすすめしたい。

編集部

Exhibition Ranking