学生油絵の振興、作品の保存、学生絵画の国際交歓、文化の向上に寄与することを目的に、安井曾太郎、西田信一、猪熊弦一郎、林武、脇田和、鍋井克之、寺内萬治朗、須田国太郎氏の8人によって1950年10月に設立された日本学生油絵会。同会が「全日本学生油絵コンクール」として日本最初の学生油絵コンクール展を開催して以来、今日においても「学展」として、コンペと入賞作品の展覧会が毎年開催されている。美術界を目指す学生たちの登龍門として、毎年多くの力作が揃っている。
そんな学展が今年で第68回目を迎え、受賞者が発表された。大賞は、二つ橋高等特別支援学校1年生の片山開陽による《雪山に住む》が受賞。
片山は「この度はこのような立派な賞を頂き誠にありがとうございます。これからももっともっと練習して沢山の絵を描いていきたいと思います。両親や先生に感謝致します」とコメント。
大賞を受賞した本作は、150年を超える歴史を持つフランスの美術団体「サロン・ド・ボザール」に参加し、パリ・ルーヴル美術館の地下にあるカルーゼル・ド・ルーヴルで展示ができるほか、新宿クリエイターズ・フェスタや渋谷区後援のアートイベントである渋谷芸術祭にも展示される。
このほか、今年の受賞作は野崎琳太郎《ままにささげる》(特別奨励賞)、荒川玲衣《無我の境地》(岩渕審査員賞)、児玉隼海《未来の塔》(杉山審査員賞)、劉佳《アイデンティティ》(赤木審査員賞)、和泉璃子《ようこそ我が家へ》(千原審査員賞)、小野山遼一《独り西へ行く》(大宮審査員賞)、鈴田すみれ《白鳥の湖》(那須審査員賞)、菅井寛輝《深海のオウムガイ》(優秀賞)、 Preston 麻梨佳 Allison《Untruth》(優秀賞)、渡辺瑠果《おもしろい遊園地》(優秀賞)。
大賞作品を含むこれらの受賞作品は、9月2日まで新宿パークタワーで開催中の「新宿クリエイターズ・フェスタ」で展示されている。