BIGBANGのT.O.P、サザビーズで
ゲストキュレーターに

韓国の人気アイドルグループBIGBANGのメンバーで、アート・コレクターとしても知られるT.O.P(トップ)がサザビーズと初めてコラボレーション、ゲストキュレーターとしてデビューすることが決定した。オークションにはT.O.Pと親交があり、新鋭コレクターとして世界的に注目を集めるスタートトゥデイ代表取締役の前澤友作や、アーティストの村上隆、名和晃平らが協力者として名を連ねており、収益の一部はアジアの新興アーティスト支援のため、ACC(非営利財団アジアン・カルチュラル・カウンシル)に寄付される。

ナム・ジュン・パイク Fat Boy 1997 予想落札価格350万〜450万香港ドル(約4550万〜5850万円) Photographer: Hong Jang Hyun. Photo Production: Gary So @ Mad Carrot Production

コレクターとしてのT.O.P

ラッパーやシンガーソングライター、俳優として様々な受賞歴を持つT.O.Pは若手コレクターとしてアジアのアートシーンでも強い存在感を示している。

T.O.Pの現代美術やデザイナーズ家具への関心は、分野を超えたアート全般への興味に深く根付いたもので、ここ数年の間に、自らいくつものアートプロジェクトを手掛けてきた。2015年にはシンガポールのアート・サイエンス・ミュージアムで開催された「Prudential Eye Zone」で共同キュレーターを務めたほか、サムスン美術館リウム(ソウル)での「ヤンヘギュ:象を撃つ 象 象を想う」では自らのコレクションの一部を貸し出している。

「理想のパートナーとので出会いは運命だと言われますが、僕は偉大なアート作品との出会いも同じだと思っています。愛し合うことが運命づけられた、生涯をともにする仲間となるのです」と語るT.O.P。

今回行われるオークションはT.O.Pが初めてゲストキュレーターを務める機会であり、タイトルはT.O.Pのインスタグラム上のハンドルネームから「#TTTOP」と名付けられている。アジアそして⻄洋の新進アーティスト、世代や文化の垣根を超えた25点を超える現代美術作品が出品され、予想落札総額は約9億香港ドル(約11億7000万円)にもおよぶ。

セールを牽引するのはバスキア

出品作品で⻄洋セクションを牽引するのはジャン=ミシェル・バスキアの《Infantry》(1983)だ。同作は前澤友作の個人コレクションからの出品となっており、前澤は「良き友⼈であり、良きコレクター仲間であるT.O.P。 彼と同じようにアートと共にある人生を送るものとして、この企画を知り、協⼒したいと思いました」とコメントを寄せている。

また⻄洋セクションにはその他に、アンディ・ウォーホル、ジョージ・コンド、ルドルフ・スティンゲル、ジグマー・ポルケといった作品に加え、ジョナス・ウッドの絵画2点や、 伝説的な写真家デビッド・ラシャペルのコレクションから、キース・ヘリングの貴重な作品群も出品される。

ジャン=ミシェル・バスキア Infantry 1983 予想落札価格3000万〜4000万香港ドル(約3億9000万円〜5億2000万円)@Sotheby's

一方、アジアセクションでは、朴栖甫(パク・ソホ)、李禹煥(リー・ウーファン)、鄭相和(チョン・ソンファ)、ナム・ジュン・パイクら、韓国の著名作家たちが並ぶ。なかでも李禹煥は一連の《Winds》作品群を制作するなかで、特別に委託されて制作した記念碑的作品、《With Winds》(1988)と、鄭相和作品でこれまでマーケットに登場したなかでも最大サイズの《Untitled 97-3-26》(1997)が出品される。これらに加え、五木田智央、何翔字(ヘ・シャンユ)といった新進気鋭作家や、国際的評価の高い、日本、韓国、中国のアジア人作家による多彩な作品群が続く。

さらに、個人的にT.O.Pと親交のある日本人アーティストとして、今回の寄付先であるACCから過去に助成を受けた名和晃平、村上隆らが、本オークションのために制作した特別な作品も出品され、注目を集めそうだ。

李禹煥 With Winds 1988 予想落札価格650万〜850万香港ドル(約8450万円〜1億1050万円)@Sotheby's
名和晃平 PixCell-T.O.P (DOOM DADA) 2016 予想落札価格5万〜8万香港ドル(約65万円〜104万円)@Sotheby's

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