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マウリツィオ・カテラン「金の便器」が競売へ。金相場基準を採用する世界初のオークション【2/2ページ】

 アートの価値とは何かという問いを鋭く投げかける本作。サザビーズの現代美術部門責任者デイヴィッド・ガルペリンは次のようにコメントを寄せる。

「この作品は、アート界とその制度が信奉する価値観を映す“鏡”だ。カテランはデュシャン的な身振りを最大限に展開し、芸術と市場の関係を根底から問い直している」。

 本作は2019年、イギリスの世界遺産・ブレナム宮殿で展示された際に盗難被害に遭い、いまなお行方不明のままだ。今回出品されるのは唯一現存するもうひとつのバージョンとなる。今回のオークションでは、作品の落札開始価格を「その日の金相場による重量換算額」とするという前代未聞の方式が採用される。10月31日時点でのスタート価格は約1000万ドル(約15億円)に相当し、暗号通貨での支払いも受け付けるという。

 《Comedian》でアートマーケットに大きな揺さぶりをかけたカテラン。本作がどのような結果をもたらすのかは、大きな注目に値するだろう。