「ART TAIPEI 2025」開幕レポート。改めて感じた台湾のアート・マーケットの底力【3/4ページ】

 異郷「イバラード」の風景を描き続け、宮﨑駿との親交から近藤喜文監督『耳をすませば』の作中挿話の美術も担当した井上直久も、台湾で高い人気を誇る画家だ。上海、北京、東京に拠点を持つPolar Bear Galleryは、個展形式で井上の作品を紹介していた。

Polar Bear Galleryのブースより、井上直久の作品

 台北のRed Gold Fine Artは時間の断片を含めながら繊細な筆致で風景を描く劉家瑋の大型作品を展示。同じく台北のImavision Galleryはサンフランシスコを拠点に故郷・台湾の都市の情景を厚い絵具で表現する曾新耀や、先に紹介した鄭崇孝と同様に、山水画を研究しその物質性を現代的な絵画として再構築する彭維新などを紹介していた。

Red Gold Fine Artのブースより、劉家瑋の作品
Imavision Galleryのブースより、曾新耀の作品
Imavision Galleryのブースより、彭維新の作品