東京・広尾の閑静な住宅街に、とあるプライベートギャラリーがオープンした。「Gallery L」と命名されたこの場所は、丸亀製麺などを展開するトリドールホールディングス代表取締役社長兼CEOの粟田貴也氏がオーナーとして設立したものだ。
粟田氏は日本を拠点とする書画家・婁正綱(ろうせいこう、1966〜)の作品をコレクション。アーティゾン美術館で開催された「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」(2023)の出品作であった《Untitled 2022》も購入しており、現在の婁正綱コレクション数は22点に上る。
粟田氏は婁正綱について「作品だけでなく人柄に惹かれた」と語っており、その作品を、ほかの美術愛好家と共有したいという思いから急展開でこのギャラリーをつくりあげたという。
地下1階から2階の3フロアで構成された一軒家をリノベーションした同ギャラリー。館内の随所に婁正綱の作品が常設展示されており、コレクターの邸宅にいるかのような雰囲気のなかで作品を鑑賞できる。とくに地下は《Untitled 2022》のために大幅に改装されたもので、鮨カウンターも併設。サロンのような雰囲気が漂う。ギャラリーは完全予約制。