NEW AUCTION 004が開催。他社との差別化に成功したと言える理由とは?

NEW AUCTIONが原宿のBA-TSU ART GALLERYにて「NEW AUCTION 004」セールを開催。6月24日のオークションの主要な落札結果をレポートする。

文・写真=塚田萌菜美

下見会場より

 6月24日に、NEW AUCTIONは原宿のBA-TSU ART GALLERYにて「NEW AUCTION 004」セールを開催した。インバウンドの復活により観光客が多数行き交う表参道至近の会場で、過去最多となる195点がラインナップされたセールの行方をレポートする。

下見会場より、右からドナルド・ジャッド《Untitled》(1991)、《Corner Chair 15》(1984)

 今回のセールの冒頭は海外作家による作品で構成された。ドナルド・ジャッドによる晩年のパネルエディション3点組は、エスティメイト800〜1200万円のところ、電話とオンラインが競り合い、電話入札者によって1100万円で落札されている。

オークション会場より、マリリン・ミンター《Cat's Cradle》(2006)の落札の様子

 あまり日本のオークションに登場しない作品も出品された。ロット027は女性表象に求められがちなグラマラスさに疑問を投げかける、マリリン・ミンターによるED.5の写真作品《Cat's Cradle》(2006)である。38万円から開始した競りは、会場同士のビッド争いを経て53万円で落札されている。

下見会場より、1番左がステファニー・クエール《Lemur》(2013)

 ステファニー・クエールはマン島生まれ、在住ながら、マーケットの主軸が日本にあるユニークな経歴のある作家だ。粘土でかたちづくられたキツネザルが木製のスタンド上に佇む作品《Lemur》(2013)は、エスティメイト40〜60万円のところ、イギリスからのオンライン入札者などにより大混戦となり、最終盤は電話と会場入札者の一騎打ちの末、135万円で会場の入札者が落札した。なおこの結果はワールドレコードを記録している。

オークション会場より、ジェイムズ・ジーン《Dance》(2018)の落札の様子

 2018年にKaikai Kiki Galleryの個展で展示されたジェイムズ・ジーンの絵画作品《Dance》(2018)も、希少性からかエスティメイトを大きく超えての落札となった。380万円から開始した競りは中国語による電話ビッド争いとなり、エスティメイト上限の約1.9倍である1150万円で落札されている。

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