パリのポンピドゥー・センターとの長期的な協働のもと、現代美術館「KANAL」が11月28日にベルギー・ブリュッセルに開館する。近代・現代美術と建築を扱うベルギー初の本格的な美術館として、約4万平米におよぶ旧シトロエン工場を再生したヨーロッパ最大級のミュージアムプロジェクトとなる。
施設の設計は、チューリヒのEM2N、ブリュッセルのnoAarchitecten、ロンドンのSergison Bates architectsによる国際チーム「Atelier Kanal」が担当。館内には5フロアの展示室に加え、建築・ランドスケープ・都市計画を扱う展示空間「Kanal Architecture」、パフォーマンスや上映のためのホール、ワークショップ、コミュニティスペース、カフェ、ベーカリー、ショップ、ルーフトップレストランなどを備え、市民に開かれた文化複合施設として整備される。


開館を記念するメイン展覧会「A truly immense journey」では、ポンピドゥー・センターのコレクションを中心に、KANALコレクションやベルギー国内外の公私コレクションから集められた350点以上を展示する。リジア・クラーク、ソニア・ドローネー、アルベルト・ジャコメッティ、ナタリア・ゴンチャロワ、アンリ・マティス、ヴィフレド・ラムら近代美術を代表する作家に加え、サミー・バロジ、エディット・デキント、アグライア・コンラッド、ハナ・ミレティッチら現代作家の作品を通して、20世紀初頭から現代までの芸術と都市、移動をめぐる物語を提示する。

開館プログラムではそのほかにも、多彩な個展やグループ展、コミッションワークが展開される。ジョエル・テュルランクスは建設工事を見守り続けた地下空間を舞台にインスタレーション《The first time》を発表するほか、マノン・デ・ブール、ジョシュア・セラフィン、バヌ・ジェネットオール、オトボン・ンカンガらによる新作展示も予定されている。また、建築部門の開幕展「Right to the city – Right to the future」では、ブリュッセルの都市形成史を再考する。

さらに、2015年のターナー賞受賞で知られるイギリスのアート・デザイン・建築コレクティブ、Assembleは、約700平米の屋内プレイグラウンドを制作。丘や火山、惑星を思わせる架空のランドスケープを舞台に、ロープやタイヤ、仮面などを用いた自由な遊びの場を提供する。
また、展示やコミッションに加え、ダンス、映画、音楽プログラム、ワークショップ、パフォーマンスも多数開催。地域の市民や団体、コミュニティが主体となる企画も数多く予定されており、美術館を展示空間にとどまらない文化交流の拠点として位置づける。ポンピドゥー・センターとの長期的な連携を軸に、ブリュッセルに誕生するこの新たな現代文化のハブに注目してほしい。

























