岩井俊二が描く「人魚の街」を8組の作家がアートで立ち上げる。TOFROM YAESU TOWERで大規模パブリック・アートプロジェクト始動

9月10日に開業する東京・八重洲の大規模複合施設「TOFROM YAESU TOWER」で、パブリックアートプロジェクト「TOFROM YAESU TOWER ART:人魚の街」が展開される。映画監督・岩井俊二による書き下ろしのオリジナルストーリーを起点に、井口皓太、太田琢人、加藤智大ら8組の作家が館内各所で作品を発表。八重洲に積み重なる歴史や記憶を、物語とアートを通して体験する新たな試みとなる。

 東京建物は、9月10日に開業予定の「TOFROM YAESU TOWER」において、公益財団法人彫刻の森芸術文化財団およびクリエイティブアソシエーションCEKAIと共同で、パブリック・アートプロジェクト「TOFROM YAESU TOWER ART:人魚の街」を実施する。

 本プロジェクトの核となるのは、映画監督・岩井俊二が本施設のために書き下ろしたオリジナルストーリー「人魚の街」だ。史実と幻想を交錯させながら、海外と日本を結ぶ交流の歴史や、江戸から東京へと移り変わる都市の姿、そして八重洲という土地に刻まれた時間の堆積を描き出す。まちの歴史や人々の営みをひとつの物語として再解釈し、その世界観をもとにアーティストたちが作品を制作する。

 参加するのは、井口皓太、太田琢人、加藤智大、河野未彩、小林博人、secca、松尾高弘、MULTISTANDARDの8組。映像、彫刻、インスタレーション、グラフィックなど多彩な表現を通じて、それぞれが「人魚の街」の一場面を担う。

 完成した作品群は館内各所に設置され、来館者は施設内を巡るなかで、それぞれの作品を手がかりに物語をたどっていく構成となる。ひとつひとつの作品は独立しながらも、岩井のストーリーによってゆるやかに結びつき、都市空間そのものを物語の舞台へと変えていく。

 また、プロジェクト全体のビジュアルコミュニケーションや特設サイト、来館者の回遊体験の設計はアートユニットSoSoSoが担当。施設内での鑑賞体験だけでなく、デジタル空間も含めた総合的なアートプロジェクトとして展開される。

 「人・時・場をつなぐ」をコンセプトに掲げるTOFROM YAESU TOWERにおいて、本プロジェクトはパブリック・アートの設置にとどまらず、都市に蓄積された記憶と現代の創造性を結びつける試みとなりそうだ。