「札幌国際芸術祭2023-24」のディレクターは小川秀明に決定。「未来について議論する場を」

2023年度冬季に開催する次回の「札幌国際芸術祭」(Sapporo International Art Festival、略称SIAF)。そのディレクターとして小川秀明が選任された。

小川秀明

 札幌で世界の最新アート作品に出合える芸術祭として、2014年より3年に1度開催されてきた「札幌国際芸術祭」(Sapporo International Art Festival、略称SIAF)。2023年度冬季に開催する次回展のディレクターに、小川秀明が選任された。

 小川は2007年よりオーストリア・リンツ市を拠点に活動。アートとテクノロジーの世界的文化機関として知られるアルスエレクトロニカにてアーティスト、キュレーター、リサーチャーとして活躍し、現在は同機関の研究開発部門であるアルスエレクトロニカフューチャーラボの共同代表を務めている。アートを触媒に、未来をプロトタイプ試作するイノベーションプロジェクトや、市民参加型コミュニティーの創造、次世代の文化教育プログラムの実践など、領域横断型の国際プロジェクトを数多く手掛けている。

 次回のSIAFは、メディアアーツ都市・札幌の強みやまちの魅力を生かし、さっぽろ雪まつりなどの既存事業とも連携しながら、札幌の冬を変える驚きと発見に満ちた芸術祭の実現を目指す。就任にあたり、小川は声明文で次のようなメッセージを寄せている。

私のミッションは、市民に開かれた“創造エンジン”としての芸術祭を実現することです。コロナ禍や気候変動など、予想し得ない地球規模の緊急課題に生きる21世紀において、未来志向の教育やイノベーション、そして地球や自然、テクノロジーとの共生は不可欠です。小さな子どもから大人まで、様々な人たちがアートを通して試行錯誤を行い、未来について議論する場を札幌でつくっていければと考えています。

 また、今年2月には札幌文化芸術交流センターとSIAFの継続的なプラットフォーム「SIAFラボ」が共同企画した展覧会「都市と自然とデータとかたち」や、小川のディレクター就任を記念し、最新のコンピュータアニメーション8作品を特別上映するプレイベントも開催。札幌の都市と自然のあり方や、最先端のデジタル映像作品を探知できる機会となる。

編集部

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