環境活動家がベラスケスの《鏡のヴィーナス》をハンマーで攻撃。「作品が受けたダメージは最小限」

環境活動団体「Just Stop Oil」のメンバーが、ロンドンのナショナル・ギャラリーでベラスケスの代表作《鏡のヴィーナス》を救助用ハンマーで攻撃。現在作品は安全確認のため展示室から取り外されている。

Just Stop Oilプレスリリースより(https://juststopoil.org/2023/11/06/women-didnt-get-the-vote-by-voting-its-time-for-deeds-not-words-just-stop-oil-supporters-smash-suffragette-painting/)

 11月6日午前11時(現地時間)、イギリス・ロンドンのナショナル・ギャラリーで、ディエゴ・ベラスケスの代表作《鏡のヴィーナス》(1647〜51)を環境活動団体「Just Stop Oil」のメンバー2人が襲撃。緊急救助用のハンマーで作品の保護ガラスが割られるといった事件が起こった。

 襲撃の様子は同団体の公式X(旧Twitter)アカウントで公開されている。同団体によるとこの襲撃は、イギリス政府が新たな石油と天然ガス開発のライセンスを事業者に認可したことに対する抗議だという。

 この作品は以前も襲撃を受けており、1914年にはカナダ人の参政権運動家メアリー・リチャードソンによって刃物で傷つけられたことでも有名である。

 警察は活動家2人を逮捕したほか、ロンドン中心部で行われていた同団体メンバー100人以上によるデモ活動では、少なくとも40人以上を逮捕したと発表。現在、作品は保存修復師による状態確認のため、展示室から取り外されている。

 ナショナル・ギャラリーは公式インスタグラムで、「作品が受けたダメージは最小限」としながら、再展示前に保存処理を行うと発表。時期は未定だという。

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