イタリア・ミラノの文化施設「Fabbrica del Vapore」。ここで開催中のアンディ・ウォーホル展で、環境活動家らがまたも作品を標的にした。
実行したのは11月4日にローマのパラッツォ・ボナパルトでゴッホ《種をまく人》を攻撃したイタリアの環境活動団体「Ultima Generazione」のメンバー。ウォーホルが1979年に制作したBMWアートカー「BMW M1」を、小麦粉まみれにするという騒動を起こした。
同団体はTwitterで「アンディ・ウォーホルの『マシン』に8kgの小麦粉を乗せる。気候変動のために何千人もの人々がすでに亡くなっているのに、政府が何もしないことに無関心で、このことにスキャンダラスになるのはばかばかしい」と極端な主張を投稿している。
このアートカーは、ウォーホルが約6kgを超える塗料を使い、わずか28分で塗り上げたというもの。活動家らは警備員によって拘束されているが、作品の状態については不明。現時点でFabbrica del Vaporeは声明を出していない。
Se i media raccontassero la verità, tutta la popolazione pretenderebbe un cambiamento urgente.
— Ultima Generazione (@UltimaGenerazi1) November 18, 2022
Purtroppo questo non avviene, il problema è ancora marginalizzato o addirittura negato: ci sentiamo in dovere di agire così! #milano #AndyWarhol #clima #ClimateEmergency pic.twitter.com/z1GV8XyhJT
ウォーホルについては、オーストラリア国立美術館でも11月8日に「キャンベル・スープ缶」シリーズが活動家によって標的にされている。こうした止まらない環境活動団体による芸術作品への攻撃についてはICOM(国際博物館会議)も声明を出しており、ミュージアムにおける抗議活動が「専門家やボランティアの仕事に影響を与える可能性がある」と懸念を表明している。