ダリやシャガールが並ぶ異空間で滞在制作を。川久ミュージアム(ホテル川久)がアーティスト・イン・レジデンスを実施

バブル期に建てられたホテル川久。その文化資産としての保存と継承をテーマとして2020年に開業した川久ミュージアムが、初となるアーティスト・イン・レジデンスを実施する。

川久ミュージアム(ホテル川久)

 1989年、バブル絶頂期に建てられた和歌山県南紀白浜の田辺湾に面する岬に位置する「ホテル川久」。ここで滞在制作できる機会がやってきた。

 同ホテルは建築家・永田祐三が監修し、中国、ヨーロッパ、イスラム、日本など、世界各地の技術を融合させたもの。延床面積は2万6000平米にのぼり、総工費は400億円が費やされた。1993年には優れた建造物に贈られる「村野藤吾賞」を受賞しており、全85部屋はすべてデザインが異なるという他に類を見ないホテルだ。館内には創業当時のオーナーが世界中から買い付けたコレクションとして、中国清代前期の七宝焼きや陶器からダリ、シャガール、横山大観などの作品も展示されている。

 海辺に佇む中世の古城のような佇まいのホテル川久は、2020年に施設の一部がミュージアムとして開放。いまは「川久ミュージアム」として、ホテル兼私設美術館としても運営されている。

 ここで初めて実施されるのが、川久ミュージアム「アーティストイン レジデンスプログラム 2022」だ。同プログラムでは、国内外で活動するアーティストに期間中、無償でホテル川久への滞在と制作拠点を提供。滞在中に制作した作品は、「KAWAKYU ART Exhibition 2022」(6月1日~30日)として川久ュージアムで展示される。

 応募期間は3月15日〜4月15日。ジャンルは音楽、美術、 建築、文学、デザインなどに開かれており、最終的には6作家が選ばれる。参加手当(製作費・作品輸送費含む)は一律2万円支給。渡航費のほか、滞在にかかる宿泊費用や食費は川久が全額負担。審査員は後日発表。詳細は公式プレスリリースを確認してほしい。

編集部

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