正体不明の覆面グラフティアーティスト、バンクシー。その革新的なアートムーブメントにフォーカスしたドキュメンタリー映画『バンクシー 抗うものたちのアート革命』が、5月19日より劇場公開することとなった。
同作は、少年時代からのバンクシーを知り、ブリストルの「グラフィティ界のゴッドファーザー」と称されるジョン・ネーションや、ともに活動してきたアーティストたちへのインタビューから、バンクシーの人物像を浮き彫りにするもの。犯罪サブカルチャーのルーツから芸術革命のリーダーにまで上り詰めたバンクシーの、未だ知られざる一面を取り上げながら、ストリートカルチャーの潮流をたどり、グラフティアートと大衆社会の関係を紐解く。
同作の監督・脚本・編集を務めたエリオ・エスパーニャは、日本の観客に向けて次のようなメッセージを寄せている。「日本は、映画にとってもストリートアートにとっても重要な場所。グラフィティ、ヒップホップカルチャー、ストリートアートは日本とのあいだにはつねに密接な関係があり、ロンドンのような国際都市で育った私はそれをつねに強く意識していた。ロンドン中心部に位置するもっともクールなエリア・ショアディッチのストリートアートシーンの初期には、多くの日本人がバンクシーの初期の作品を見に来たり、シーンに参加したりしていたから、つねに強いつながりがあったのだと思う」。
またエスパーニャは、同作のサウンドトラックを作曲家のピート・ワイツとともに制作していた際に、日本の作曲家であり、テクノミュージシャン、DJの横田進の楽曲を参考にしたとし、本作で流れる音楽は日本の影響を受けているという。