東京綜合写真専門学校の創立者・重森弘滝によって創刊された『写真批評』が、半世紀ぶりに復刊した。
同誌は、学校教育とともに重森が考える「批評精神」の実践の両輪として「批評精神」を学内のみならず、広く世間に伝えるものとして創刊。1973年の創刊から、7号(1974)まで続いた。
復刊の編集長を務めるのは写真史研究・批評家の調文明。編集委員は調のほか、きりとりめでると深川雅文(監修)が名を連ねる。調はウェブサイトにおいて、次のように意気込みを寄せている。「1973年創刊の『写真批評』が前提としていた『写真』および『批評』は2022年の現在、その存在意義すらもすでに盤石のものではなくなりつつあるのが現状です。ですが、そのような危機的状況だからこそ、「写真」と「批評」の射程を細やかに検証し、改めて再起動することが必要になってきています。この復刊が瓦解の時代に新たな場を創出する、その一歩となれれば幸いです」。
復刊第1号の特集は「写真批評のトポロジー」。2つの座談会、倉石信乃やきりとりめでるによる特集寄稿のほか、書評や展覧会評など、充実した内容になっている。