新型コロナウイルスの影響で経営難に陥り、静岡県に無償譲渡を含めた支援を求めている静岡県長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館。同館が2023年1月の大規模修のための休館を前に、存続に向けたアンケートと意見を募っている。
ヴァンジ彫刻庭園美術館は、富士山麓に位置する美術館、庭園、レストランなどが一体となった複合文化施設「クレマチスの丘」のなかに02年にオープン。イタリアの現代具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの個人美術館で、ヴァンジの彫刻を展示棟および庭園のなかで、風景と調和するように点在させている。
同館は新型コロナウイルスの影響により経営難に陥り、21年10月に静岡県に対して無償譲渡を含めた支援要請を行った。譲渡を含めた支援の要否について静岡県は検討中の段階であるが、活用や運営の方法について調査をしており、年度内に判断する方針だと静岡新聞が報じている。
来年1月からの休館を前に、同館は美術館として何ができるかを協議し、存続に向けたアンケートと意見を募ることを発表。回答は静岡県議会に提出する方針だ。回答は12月25日16時30分まで募集している。
同館は公式ウェブサイトにて存続に向けた思いを次のように記している。「私たちはこの庭園美術館が、さまざまな方が集う『みんなの広場』として、そして地域の芸術文化の拠点として、この地で存続することを心より願っています。20年間の活動を支えてくださった皆様に心よりお礼を申し上げると共に、美術館の存続に向けてご協力いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」(ヴァンジ彫刻庭園美術館公式ウェブサイトより)