環境活動団体による名画への攻撃が止まらない。今度の標的となったのは、ゴッホの名画《種をまく人》(1888)だ。
事件が起こったのは11月4日。イタリアの環境活動団体「Ultima Generazione」のメンバー4人が、ローマのパラッツォ・ボナパルテで開催中の「ヴァン・ゴッホ クレラー・ミュラー美術館名画展」で、ゴッホの名作《種まく人》に野菜スープを投げつけた。
Ultima GenerazioneはTwitterで、「私たちは、生命を愛し、芸術を愛するために行動します。みんなの食料を確保するのに苦労する未来に、それでも芸術が守られるとどうして思えるのでしょうか」と投稿。これまで芸術を攻撃してきた環境活動団体同様、「環境保護か芸術か」という極端な選択を迫っている。
これに対し、パラッツォ・ボナパルテはInstagramを通じてコメント。「ゴッホ展の中でデモをすることは初日からわかっており、準備もできていた。避けられないこともわかっていた」としており、作品は無傷だったという。
環境活動団体による名画の攻撃はここ最近頻発しており、ロンドン・ナショナル・ギャラリーでのゴッホ《ひまわり》、バルベリーニ美術館のモネ《積みわら》、マウリッツハイス美術館のフェルメール《真珠の耳飾りの少女》などが相次いで標的となっており、いずれも作品は無傷だった。