ロシアの攻撃、博物館にも。ウクライナの国民的画家マリア・プリマチェンコの作品が複数焼失

ロシアによるウクライナ侵攻によって、ウクライナの国民的画家であるマリア・プリマチェンコの作品数十点が破壊された。ウクライナのオレクサンドル・トカチェンコ文化・情報政策大臣はロシアをユネスコ加盟国から除外するよう要請している。

マリア・プリマチェンコ Our Army, Our Protectors  1978 出典=Wikiart(https://www.wikiart.org/en/maria-primachenko/our-army-our-protectors-1978)

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって、博物館とその収蔵作品が失われる結果となった。

 キエフ・インディペンデントによると、現地時間2月27日、首都キエフの北西に位置するイヴァンキフ歴史・地方史博物館がロシア軍の攻撃によって焼失。ウクライナの国民的画家であるマリア・プリマチェンコの作品25点も焼失したという。この事実はウクライナ外務省も認めている。

 マリア・プリマチェンコ(1909〜1997)は、独学で美術の道を歩んだアーティスト。カラフルな画風はウクライナ国内で広く知られ、1970年代には切手にもなっている。また、1966年にはウクライナのタラス・シェフチェンコ国民賞を受賞。ユネスコは2009年を「マリア・プリマチェンコの年」と宣言している。

切手になったマリア・プリマチェンコの作品 出典=ウィキメディア・コモンズ(By малюнки Марії Приймаченко - http://marka.pp.ua/marka/1999-n284-285-scepka-primachenko.html, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=23622120)

 文化への攻撃ともとらえられる事態を受け、ウクライナのオレクサンドル・トカチェンコ文化・情報政策大臣は2月28日、自身のTwitterを通してロシアをユネスコ加盟国から除外するよう要請。また、ロシアで今夏開催予定となっている第45回世界遺産委員会については、開催国の変更も要請している。

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