ロシアのウクライナ軍事侵攻をめぐり、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展ウクライナ・パビリオンのチームが、日本時間2月25日の早朝に公式声明を発表した。
同チームは、声明が発表された時点で「差し迫った危険にはさらされていませんが、状況は危機的であり、刻一刻と変化しています」としている。また、「命の危険にさらされているため」、パビリオンのプロジェクトを継続することができないという。
今年のウクライナ・パビリオンでは、マリア・ランコ、リザヴェータ・ジャーマン、ボリス・フィロネンコといった3人のキュレーターが共同企画を行っており、ウクライナ人アーティスト、パブロ・マコフの活動を紹介する予定となっている。
この4人が署名したこの声明文によると、制作チームはハリコフ、キエフ、リヴィウなどウクライナ全土、また国外に散らばっており、ウクライナ発着の国際線はすべて欠航しているため、国内を移動するのも危険な状態になっているという。
状況が変わり、安全に仕事と旅行をすることができれば、同チームはヴェネチアに赴く意思を表明しながら、ロシアの侵略を止めるために、国際的な芸術コミュニティーに次のように呼びかけている。
「銃は私たちの体を傷つけるかもしれませんが、文化は私たちの心を変えます。この戦争は文明の衝突です。自由で文明化された世界が、野蛮で攻撃的な世界によって攻撃されているのです。もし私たちがこの状況を受動的に観察し続けるなら、私たちが目指すもの、そして先人たちの遺産である芸術、愛、表現の自由、創造する能力をすべて失うことになるでしょう」。
「この困難な時代に、ウクライナとともに立ち上がりましょう」。