「WeNeedCulture」に「art for all」などが合流。文化芸術への支援求め菅総理らに公開質問状

舞台芸術、ミニシアター、ライブハウス/クラブ分野の3団体が文化芸術に対する公的支援を求めて活動している共同キャンペーン「WeNeedCulture」が、2度目の緊急事態宣言下における補償について、菅総理大臣など6名に対して公開質問状を送付した。この背景にあるものとは?

 新型コロナウイルスで大きな影響を受けている舞台芸術、ミニシアター、ライブハウス/クラブ分野の3団体(SAVE the CINEMA、演劇緊急支援プロジェクト、SaveOurSpace)が文化芸術への支援を求めて立ち上げた共同キャンペーン「WeNeedCulture」。このキャンペーンに、クラブカルチャー存続への活動に取り組む「#SaveTheDance」と、美術に関わる人々への幅広い緊急支援を求める「art for all」が合流し、文化芸術への支援求め菅総理らに公開質問状を送付した。

 質問状の送付対象は、菅義偉内閣総理大臣、麻生太郎財務大臣、萩生田光一文部科学大臣、梶山弘志経済産業大臣、宮田亮平文化庁長官、山口那津男公明党代表の計6名。質問では、現在の文化芸術分野への支援策が「コロナ禍収束後」を見越した、新たな取り組みへの経費補助であり、現時点で経済危機にある事業者や関係者は申請できないと指摘。「なぜ使途を問わない給付型の支援ができないのか」などを問うものだ。

 WeNeedCultureの活動を支援する弁護士の馬奈木厳太郎は「成立した第3次補正予算も活動ができる前提のもの。コロナの場合は『活動できない』ことが問題で、発想の転換が必要だ」と主張する。

 「コンテンツやイベントの制作助成はあるが、自粛ムードで活動できないなかではマチネやレイトショーも難しい。『補償』という名にこだわらないにしろ、何かしら補填がないと存続が危ういのが現状だ。美術館や図書館は法的な位置づけがあるが、私設の映画館やライブハウスは『商売』であり文化施設として扱われていない。役所も国が支えるものだとは思っていないことが問題だ」。

 また公開質問状では文化芸術団体や文化芸術関係者に対するメッセージも求めている。

 馬奈木弁護士は「海外であれば文化は必要不可欠だというメッセージをトップが出す。しかし日本では文化芸術の意味合いが共有できていないのが現状」と批判。実際、文化庁ですらメッセージを出したのは昨年3月の一度だけで、その際も宮田長官のメッセージにはなんら具体性がなく批判を浴びた。他の先進国に比べ、文化芸術に対する姿勢が明確な言葉として示されていない。

 今回の公開質問状の回答期限は2月17日。果たしてどれだけの回答が得られるのか、注目したい。

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