2020年11月6日にグランドオープンを迎えた角川武蔵野ミュージアム。同館では、6人のアーティストがコロナ禍のなかで人々に求められるイメージをそれぞれの解釈で制作する「コロナ時代のアマビエ」プロジェクトを行っている。第1弾として、現在は会田誠による《疫病退散アマビヱ之図》を今年3月まで展示中だ。
今回その第2弾として、外壁に鴻池朋子の《武蔵野皮トンビ》が設置された。この先1年にわたり壁に展示される予定となっている。
皮革を支持体として、トンビの身体には多様な生きものや景色、現象が描かれている。隈研吾による堅牢な岩の建築と、脆さと有限性をもつ作品の対比が印象的な同作は、様々なシステムが限界を迎えつつあるいま、様々な問いを投げかける。
安全で守られた美術館という環境を一番の弱点と感じ、その「妙な感触」は東日本大震災を経てより自覚的になってきたという鴻池。同作については「『動物の皮』は天候とやりとりしながら、約1年間、人間の皮膚のように経年変化しタフに歳とっていくことでしょう」とコメントしている。
なお「コロナ時代のアマビエ」プロジェクトでは今後、川島秀明、大岩オスカール、荒神明香らが作品を発表予定だ。