大原美術館がクラウドファンディングで支援を募集。一般公開をストップさせないために

新型コロナウイルス感染症の影響で、136日間の長期臨時休館を余儀なくされた大原美術館が、今後も一般公開を続けていくためのクラウドファンディングを「Readyfor」で開始した。

大原美術館(本館) 写真提供=大原美術館

 新型コロナウイルス感染症の影響で長期臨時休館を余儀なくされた大原美術館が、一般公開を続けていくためのクラウドファンディングを「Readyfor」で開始した

 大原美術館は日本最初の西洋美術中心の私立美術館。倉敷市を基盤に幅広く活躍した事業家の大原孫三郎が、画家・児島虎次郎を記念して1930年に設立した。企業の傘下や行政の設置施設でもない民間の美術館で、運営経費の約8割を入館料で担っている。

 しかしながら同館は、新型コロナウイルスにより136日間の長期にわたって臨時休館。再開館後も2020年度は入館者数を制限しての運営が続くため、最多でも約5万人の入館者しか見込めないという。代替の収入確保が難しいなか、日々の運営体制の継続が非常に厳しく、再びの休館も懸念される危機的状態だ。

 このため同館は、2021年内の運営資金をクラウドファンディングで募集。来年度以降も継続して一般に開館することを目指す。目標金額は1000万円で、寄付のリターンとしては、展覧会場の一部をVRで鑑賞体験する権利や入場チケットが金額に応じて提供される。

 同館は募集にあたって次のようにメッセージを発信。「『一般公開をストップさせない』という姿勢と、大原美術館の存在そのものを多くの皆様に支えていただきたく、運営資金のご寄付をお願いしたく存じます」。

 なお、大原美術館は公益財団法人なので、寄付金は税務上、所得控除(損金算入)の特典が広く認められている。詳しくは「Readyfor」のウェブページを参照してほしい。

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