新型コロナウイルスの影響が世界でもっとも深刻なアメリカ。ここでパンデミック後初めて、大規模美術館が再開されることになった。
5月23日に再開するのはテキサス州にあるヒューストン美術館。1900年に設立された同館は、古代から現在に至るまでの約7万点の所蔵品を持つ、全米でも屈指の大規模館だ。
テキサス州では、5月1日に再開に関するガイドラインが発表され、開館の準備が進められてきた。同館館長のゲイリー・ティンテロフは、「状況はいつでも変化する可能性があることを認識している」としながら、「私たちは可能なかぎり安全な条件で、新しいガイドラインの下で、ヒューストン市民にサービスを提供することができるという希望を持ち続けている」と、再開について語っている。
再開にあたっては、マスク着用や検温、ソーシャルディスタンス(2メートル)確保などはもちろんのこと、飲食禁止(カフェは閉鎖)、キャッシュレス決済、大きな荷物の持ち込み禁止(クロークは閉鎖)などの感染防止対策をとるという。
このうちソーシャルディスタンスについては、館内のあらゆる場所で人口密度を定員の25パーセントとするほか、距離を示すマーカーを受付などの床に施すことで、その確保に努めるとしている。
なおアメリカの美術館については、同国最大規模のメトロポリタン美術館が、遅くとも8月中旬頃の再開を予定していることがThe Art Newspaperによって報じられている。