政策提言などを行う一般社団法人関西経済同友会は関西・大阪21世紀協会と連名で、新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けている文化芸術セクターについて、緊急アピールを発表した。
関西経済同友会は、国の自粛要請に応じたことによって「得られるべき興行収入が得られず、キャッシュフローが大きく減退している。場合によってはキャンセル料やチケット払い戻しのコスト発生など追加負担も生じている」と現状を分析。
緊急経済対策でフリーランスへの休業補償や事業者向けの緊急貸付・保証枠の拡充などを打ち出したことは評価しつつ、「なお一層の支援強化策を講ずるべきである」と主張。
「支援条件(前年度売上高が黒字であるなどの融資条件や令和2年度補正予算の成立まで支援がなされないなど)については、状況に応じ柔軟な見直しを行うべきである」「政府・民間の出資・寄付による『芸術文化振興基金』の活用、あるいは新たにサポートする基金の立ち上げなど、一層の原資の確保に向けてあらゆる手段をとるべきであり、その推進を強く願う」と強く訴えかけている。
文化芸術セクターに関しては、民間のコンサルティングファームが実施した調査によって、9割以上が行政支援が不十分と回答しており、8割以上がなんらかの損失を計上していることが明らかになっている。