新型コロナウイルスの影響による休業に伴う個人補償が社会問題となるなか、東京都は補正予算のなかで行う独自のアーティスト支援策を4月15日の記者会見で明らかにした。
都は8000億円の緊急対策を取りまとめ、そのうち3574億円を占めるのが4月補正予算案だ。この補正予算のうち、2007億円を投じる「セーフティネット強化」において、「文化芸術活動の幅広い支援」を盛り込んだ。
支援方法は、活動を自粛せざるを得ないプロのアーティストやスタッフ等が制作した作品をウェブ上に掲載・発信する機会を設けることにより、その活動を支援するというもの。小池都知事は「在宅でも都民が芸術文化に触れられる機会を提供する」としている。現時点で詳細な条件などは明らかになっていない。
なおこうした都の動きとは別に、文化庁は補正予算案のなかで61億円を計上。21億円を投じる「文化施設の再開における感染症対策支援」 など、施設や団体を主な対象とした施策が盛り込まれている。
しかしながら、芸術文化活動に従事する人々を対象とした民間調査では、8割がなんらかの経済的損失を経験しており、9割が行政からの支援を「不十分」とする結果が出ている。