様々な文化施設が集まる東京の上野恩賜公園を舞台に、昨年より開催されているフェスティバル「UENOYES」。本企画の総合プロデューサーを務めているのは、東京藝術大学美術学部長でアーティストの日比野克彦だ。2回目の開催となる今回は、ファッションデザイナーの山縣良和をディレクターに迎え、「FLOATING NOMAD」をテーマに展開される。
「FLOATING NOMAD」とは、英語で「浮遊遊動⺠」を意味する語。これには上野恩賜公園というオープンな空間に、世界各地から様々な立場の人々が遊動⺠のように集い、表現や行動を通じて交流や学びの場をかたちづくるイメージが投影されている。
会場のランドマークおよびワークショップスペースとなるのは《段ボールオブジェ・サイト》。本作は、日比野の監修と総指揮のもと、東京藝術大学のDOORプロジェクト(履修証明プログラム「Diversity on the Arts Project」)受講生と、山縣が主宰するファッション私塾「coconogacco / ここのがっこう」の混成チームが中心となって制作するアートモニュメントだ。
11月9日には、ファッションによる表現の可能性を様々なかたちで発表し続ける山縣のレーベル 「writtenafterwards」の、2年ぶりとなるファッションショーが開催。昨年から発表を継続している「現代の魔女」をテーマとした三部作の集大成を見ることができる。会場内の噴水に、様々な装いの人々が浮遊遊動⺠のように立ち現れるなど、本企画のテーマを体現するようなユニークな演出に注目してほしい。
加えて、奈良を起点に、北京からウルムチ、ペルセポリス、パルミラを経て、トルコまでをたどった篠山紀信による「シルクロード」シリーズの写真展や、ライブストリーミングスタジオ「DOMMUNE」が、独自のスペシャルプログラムなどを配信する「DOMMUNE UENOYES」、そして「パープルーム予備校」に集うアーティストたちによるデモンストレーションとトークイベントなど、会場の随所で様々な催しが展開される。