文化を起点に人々の新たな社会参画を目的とし、障害などの有無にかかわらず、子供から大人まで、人種や国を超えた様々な人々とともに、年間を通して多彩なプログラムを展開するプロジェクト「UENOYES(ウエノイエス)」。そのキックオフイベントが9月28日~30日の3日間、上野公園を舞台に開催される。
昨年度まで上野公園で開催されていた「TOKYO数寄フェス」などの実績を踏まえて行われる「UENOYES」は、東京藝術大学美術学部長を務めるアーティスト・日比野克彦が総合プロデューサーを、パリ日本文化会館展示部門アーティスティック・ディレクターで美術評論家の岡部あおみが国際部門ディレクターを務める大規模イベントだ。
今回のキックオフイベント「UENOYES バルーンDAYS 2018」では、子供から大人までが楽しめるプログラムを多数展開。子供を対象としたプログラムとしては、東京藝術大学の在校生や卒業生が講師となり、屋外彫刻のような格好をした路上パフォーマー(スタチュー)を描く写生大会「スタチュー写生大会」が開催される。
また、スペインのアーティスト、ホセ・マリア・シシリアは防災・食をテーマとしたアートプログラムとして「東北のアートプロジェクト in 上野」を展開。マリア・シシリアが東北で継続的に行ってきた活動を紹介する「星屑屋台」や、東日本大震災の際の津波の轟音をもとに制作した作品《アクシデントという名の国》などを展示する展覧会「アクシデントという名の国」、そして岡部とのトークイベントなどを行い、災害とアートの関係性を探る。
国内外で活躍するアーティストが上野にある文化資源や歴史などを独自の視点から探求する「ARTS TIME PROJECT」では、吉祥寺の芸術複合施設「Art Center Ongoing 」代表の小川希がディレクション。
ダンサー・アオキ裕キが率いる路上生活経験者のダンスグループ「新人 H ソケリッサ!」のパフォーマンスをはじめ、地域コミュニティと協働して実施するプロジェクトに多く取り組んでいるアーティスト・山本高之による「チルドレンズ・プライド、上野恩賜公園」など6つのプログラムが展開される。
なお、会期中には視覚障害者のためのガイドツアーや手話翻訳つきのガイドツアーなどを実施。あらゆる人々が自由に楽しめる3日間を目指す。