バンクシーの巨大作品が10年ぶりに美術館に登場。Brexit(ブレグジット)で混迷する英国議会を皮肉る

イギリスのブリストルにあるブリストル市立博物館・美術館は、イギリスのEU離脱(Brexit)期限だった3月29日の前日に当たる28日、バンクシーが制作した最大のキャンバス作品《Devolved Parliament》を10年ぶりに展示した。英国議会を皮肉った作品の再展示にバンクシーも反応し、コメントを寄せている。

バンクシー Devolved Parliament 2009 出典=バンクシーの公式サイトより

 EU離脱(ブレグジット)をめぐって混迷を続ける英国議会。これを皮肉るように、バンクシーの巨大作品が同国内の公立美術館に登場した。

 《Devolved Parliament》は英国議会の様子を描いた作品で、バンクシーがキャンバスに描いたものとしては最大。ブリストル市立博物館・美術館で2009年に開催され、30万人以上を動員した2009年の展覧会「Banksy versus Bristol Museum」で展示された作品で、今回の再展示は、その10周年を記念したもの。

 議会に人間の姿は見えず、そこにいるのは多数のチンパンジーたち。バンクシーはこの作品について、「これは10年前につくった作品だ。ブリストル市立博物館・美術館はブレグジット・デイを記念するために再展示した」とInstagramでコメント。これは、英国のEU離脱期限が3月29日だったことを指しており、展覧会もこの離脱期限の前日だった3月28日から始まっている。

 しかしながら英国議会は離脱協定を拒否。バンクシーは、先行きが不透明なブレグジットを皮肉るように「“Laugh now, but one day no-one will be in charge.”」(いまは笑えばいい。でもいつか、誰も責任を取らなくなる日が来るだろう)と締めくくっている。

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