美術家の森村泰昌が11月3日、美術館「M@M(モリムラ@ミュージアム)」を大阪・北加賀屋にオープンすることがわかった。
森村は1951年大阪府出身。レンブラントの作品をモチーフに、9つの自画像を同居させた《九つの顔》(1989)をはじめ、一貫して自画像的作品を発表してきた。また作品制作のみならず、執筆活動や映画出演、「横浜トリエンナーレ2014」にてアーティスティック・ディレクターを務めるなど、多方面で活動している。
そんな森村が、自身にゆかりのある北加賀屋にオープンする美術館「M@M(モリムラ@ミュージアム)」は、ふたつの展示室のほか、ライブラリー、サロン、ミニシアター、ショップからなる400平米のスペース。各フロアは森村により名前がつけられており、森村の作品をいつでも見ることができるほか、関連グッズも入手できる。
美術館の開館記念展は、「君は『菫色のモナムール、其の他』を見たか?森村泰昌 –もうひとつの1980年代–」。初めてセルフポートレイト作品で構成した1986年の個展「菫色のモナムール、其の他」(ギャラリー白、大阪)の展示再現に加え、モノクロの風景写真や、交通標識がモチーフの自画像、ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》に倣った《男の誕生》など、めったに見ることができない作家秘蔵の80年代作品約30点を紹介する。
「ひろく」「ふかく」「ながく」という3つの目標を掲げ、年2回の企画展、トークやレクチャーなどを行っていくという美術館。新たな注目スペースの誕生だ。