30年以上にわたり、西洋美術史の絵画や歴史上の人物に扮するセルフポートレートを制作してきた森村泰昌。1985年に自らがゴッホに扮した《自画像の美術史(ゴッホ/青)》を発表して以来、これまでに、マネの《オランピア》、マリリン・モンロー、三島由紀夫、ダグラス・マッカーサー将軍、戦後日本占領時の連合司令官、ヨーロッパ絵画、ポップカルチャー・アイコンなど、様々な著名人や美術史上代表的なキャラクターをユニークに表現してきた。
今回、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催される個展「YASUMASA MORIMURA: EGO OBSCURA」では、このセルフポートレートシリーズに加え、森村にとって初の試みである長編映像作品《Ego Symposion》もアメリカで初公開されるという。本作に登場するのは、森村が扮した自画像でよく知られる12名の巨匠と、そして森村自身を加えた計13人。そのほか、10月13日の夜には、最新の劇場型パフォーマンス作品《にっぽん、チャチャチャ!》も行われる予定だ。
「歴史において、何が真実なのか」という問いを、自身の芸術の礎として制作を続ける森村。現代美術の中心であるニューヨークで、その新しい試みを目撃したい。