「縄文―1万年の美の鼓動」は、約1万3000年前に始まり前2400年に至るまで、約1万年間にわたり続いた縄文時代に生み出された、土器や土偶などに焦点を当てた展覧会だ。
これまで、同展では国宝《火焰型土器》(前3000〜前2000)をはじめ、ユニークな姿かたちをした重要文化財《遮光器土偶》(前1000〜前400)や、国宝《土偶 中空土偶》(前2000〜前1000)などの出品が発表されていたが、びこれに加え、4件の国宝も展示されることになった。縄文時代の国宝6件が一堂に展示されるのは今回が初めてとなる。
展示される国宝は、上記の《火焰型土器》《土偶 中空土偶》に加え、《土偶 縄文のビーナス》(前3000〜前2000)、《土偶 合掌土偶》(前2000〜前1000)、《土偶 仮面の女神》(前2000〜前1000)、《土偶 縄文の女神》(前3000〜前2000)の全6件。なお、《土偶 縄文のビーナス》と《土偶 仮面の女神》は7月31日〜9月2日の期間限定展示となる。
本展では上記国宝のほか、重要文化財として《人形装飾付有孔鍔付土器》(前3000〜前2000)、《ハート型土偶》(前2000〜前1000)、《猪形土製品》(前2000〜前1000)、《尖頭器》(前1万6000〜前1万1000)なども出品。また、フランスから帰国した岡本太郎が東京国立博物館で出会った縄文土器、《深鉢形土器》や《顔面把手》も展示される。
東京国立博物館主任研究員・品川欣也が「新たな縄文の美を発見して、それを紡いでいってほしい」と語る本展。「縄文の美」をテーマに、北海道から沖縄まで、日本中の縄文出土品約200件が揃い、約1万年間にわたり多様な変化を遂げた縄文時代の「美」を、一堂に紹介する。
なお本展は同館で開催後、パリで行われる「ジャポニスム2018」の一環として日本文化会館でも開催。内容は本展を凝縮したものになるという。