神奈川芸術劇場(KAAT)では毎年、KAAT Dance Seriesと題して、選りすぐりのダンスプログラムを開催している。2017年の開幕を飾るのは、結成20周年となるダンス・カンパニー、ニブロール(Nibroll)だ。
横浜で旗揚げしたニブロール。振付家・矢内原美邦を中心に、映像作家や音楽家、美術作家とともに、独自の表現で舞台作品を発表してきた。そんなニブロールが20年の活動のなかで追求してきたのは、身体表現の可能性だ。
本公演で発表する新作『イマジネーション・レコード』では、約10年ぶりのオーディションで選出されたパフォーマーとともに、改めて「身体」について考察する。
誰もが簡単に記録することができるいっぽうで、記録を繰り返しても消えてしまうものに溢れた世界を、「身体」を通して見つめ直す本作。20年という1つの節目を迎えるニブロールの、新たな一歩に注目したい。